ドピーカンの芳ヶ平ツアー

３月９日（日）

この日は、息子のバックカントリー・スノーツアーの、記念すべきデビューでした。
行き先に選んだのは、私ともども息子も普段から懇意にしていただいている、芳ヶ平ヒュッテに決めました。
テレマークスキーとスノーボードの違いこそあれ、共に雪遊びが好きな仲間として、二つ返事で案内役を務めました。
ところがそんな時には、えてして難関が待ち受けているもの。
前日から草津白根山の火山性地震が頻発し、スキー場からの入山が禁止されてしまい、已む無く草津から６ｋｍほどの距離を、自分たちの足で登り上げる羽目になったのでした。





幸いにしてこの日は、雲ひとつ無く晴れ上がり、風も吹かない絶好のツアー日和となりました。
歩き出して程なく汗が吹き出し、上着をザックに括りつけて登って行きます。

出発から１時間ほどで、中間地点までやってきました。ここまでは傾斜も緩く、足元の雪も締まっているので順調でした。

落葉松の樹林帯を抜けると、右手方向がが一気に開け、野反の山々が一望になります。

幅の狭い登山道はツアーコースと重なるので、足元は固められていましたが、柔らかいオープンバーンになると様相が一変。
初めて履いたスノーシューでも、何とか今までリードしていた息子が、柔らかな雪を踏み抜いたり、躓いたりで急にペースダウンします。

最後の難所が桜清水と呼ばれる急斜面のオープンバーン。まったく足が出なくなったようで、見る見る引き離されます。

桜清水をようやく登りきれば、背後の池ノ塔のカールとともに、芳ヶ平ヒュッテの赤い屋根が目に入ってきます。

ヒュッテに荷物をデポして周辺の斜面を滑るつもりでしたが、体力を使い果たした息子は、もう気力も残っていない様子。
初めてのスノーツアーが、長丁場のハイクアップとあっては、若者とは言え無理も無いと、ヒュッテで早お昼をいただくことに。

この日のおまかせパスタは、ソーセージの入ったトマトソース・スパゲティでした。

ランチをいただき、食後のお茶を飲みながら、ヒュッテの管理人さんご夫妻と歓談すること１時間半。
そろそろ下山の時刻も近づいて、３匹のビアデット・コリーに、見送りを受けます。

親子で記念写真におさまったら出発です。

この日は一日中素晴らしい快晴のまま終始し、草津白根山も見た目には、まるで何事も無いような穏やかな様子でした。
このまま火山性地震も、終息に向かってくれると良いのですが。

そして帰りのお楽しみがこれ。休憩して元気の出た息子は、水を得た魚に変身したのでした。